私自身は化粧品業界にいたことはなく、一消費者としてオーガニックコスメを愛用している者ですが、化粧品開発のお話を書くブランド・メーカーさんに聞くと、化粧品工場の話が出てくることがあります。日本製・国産オーガニックコスメのブランドの多くは、自社工場を持っているわけではなく、外部のOEM工場に発注して製造販売をしてもらっていることが多いのです。これを化粧品のOEMと呼びます。OEMとはoriginal equipment manufacturerと言い、他社ブランドの製品を製造するメーカーのことになります。
化粧品の裏側のラベルを見ると、「発売元」と「製造販売元」で違う名前が書いてあることが多いですが、発売元が各ブランド、製造販売元がOEM工場になります。
ブランドはイメージの世界ですが、そのイメージを具体的に化粧品として製品化するにあたっては、成分を知り尽くした研究者や製造ノウハウを持つ工場の助けがないといけません。日本製・国産オーガニックコスメの場合、その多くは中小企業ですので、だいたいが外部の化粧品OEM工場に発注をかけているのです。
中には、自社工場で製造をしているところもありますが、8~9割くらいは国内のオーガニックコスメ製造工場で製造をしています。
今回の記事では、この化粧品OEMについて、面白い記事があったのでご紹介しつつ、国内のオーガニック系の面白いOEM業者さんについて少し書いていきたいと思います。
化粧品業界を裏で支えるOEM工場とその実態について~BULK HOMME創始者の野口さんの記事から
少しでもオーガニックコスメに興味を持った方なら、トレーサビリティにはすごく関心があると思います(※トレーサビリティとはある成分がどういう産地で作られどのように加工されたものなのかといった来歴に関する情報)。その一環で、化粧品の製造販売元の工場について調べたこともあるかもしれません(少なくとも私はあります(笑))。
オーガニックコスメですと、だいたい作られている工場がかぶっているケースも多いのですが、よく目にする工場としては、
この辺りが多いのではないかなと思います。
普段、ラベルの裏側をよく見るオーガニック派の方でも、OEM工場まで調べることはないと思うのですが、最近ふと興味を覚えてネットで調べ物をしていたところ、メンズコスメのブランドBULK HOMMEの野口社長が書いたこんな記事を見つけました。
>>>みんなに知ってほしい、腐った化粧品OEM業界と化粧品の本質の話
ちょっとドキッとする内容の記事ですが、読んでみるとこの化粧品OEM業界のこともちらりと垣間見えるものがあります。
要するに、化粧品OEMのメーカー次第で、製品の質は左右されるということ。それでいて、消費者の目には矢面に立つのはブランドの方(発売元)なので、化粧品OEM会社の中にはあまり質のよくないところもある・・・ということ。
そんな中、BULK HOMMEがOEMをしているサティス製薬さんといえば、啓蒙活動にもすごく意欲的で面白いヒット製品を数多く製造販売しているところです。
>>>サティス製薬
思えば、海外のオーガニックコスメの大手ブランドは、たいていが自社のラボ(研究所)と工場を持っているところがほとんどですが、日本ではまだまだ自社工場を併設するようなブランドはないのが現状です。
まあ、一般消費者がどやどやと押しかけてきて対応できるほどのキャパがあるほどの大企業ではないから、仕方ないと言えば仕方ないですよね・・・。
工場見学ができるオーガニックコスメのブランド
そんな中、オーガニックコスメのブランドでも自社工場を開放しているところもあります。それが、素肌レシピを作っている太陽油脂さんです。
太陽油脂の工場見学は、パックスナチュロンの石けんで有名ですが、定期的に工場見学を受け付けていて大人気です。残念ながら夏休み中の8月はすでに満席になっているようですが、興味のあるかたはチェックしてお子様と一緒に参加しても楽しそうですよ。
あと、私も大好きな日本製・国産オーガニックコスメのネオナチュラルさんは製造も自社工場でやっています。工場ではないですが、原材料となるハーブを育てている母袋有機農場では定期的にイベントが開催されていますので、チェックしてみるといいかも。
今後は化粧品も、製造販売元までチェックして購入する時代がくるかも
オーガニック派の消費者の方は識者が多いというか、ご自分でも勉強している人が多いので、今後はこのOEMしている工場そのものの情報も求める声が高まってくるかもな~と思います。OEM業界はブランドではないので情報発信をしているところは本当に少ないですが、今後はOEM会社も情報発信に力を入れてくれたら面白いだろうな~と思います。
以上、大変マニアックな話でした^^