オーガニックコスメを選ぶ上で重要になってくるのが、化粧品の裏のラベルに書いてある全成分表示(成分一覧)をチェックすること。
合成成分が入っていないか、アレルギーの原因になる成分が入っていないかをチェックしているというオーガニックコスメファンもたくさんいると思います。
しかし、全成分表示を見て、実際に何が入っているのか、そしてその成分がどういうものなのかを瞬時に判断できる人はごくわずかでしょう。
特に、合成成分については、ある程度の前知識がある人以外は、いったい何だか分からない、という人が大半だと思います。
インターネット上では、そういう時に役立つ成分検索チェックのサイトがありますが、
それらのサイトの「限界」や使い方のコツを知らないと、かえって誤解したり迷うことがあるので、
以下、自分で調べてみたことをまとめてみました。
美肌マニアの使い方とその限界
まずは、「美肌マニア」さん。
こちらのサイトの中に、化粧品成分検索というページがあります。
これは、成分を検索するとその成分がどういう毒性があるのか?を知ることができるというもの。
このサイトに、知りたい成分を入れて検索すると、
その製品の用途と毒性判定が出てきます。
これで、ある程度の毒性判定はできます。
しかし・・・この成分検索の問題点は、その化合物が、石油由来なのか植物由来なのかというところまでは、書いていないことなのです。
たとえば、以前の記事でおすすめしたHANAオーガニックのムーンナイトミルクを「美肌マニア」で検索すると、こんな風に出てきます。
界面活性剤のところが毒性判定2の赤字表示になっていますね。
ですが、HANAオーガニックの開発者・林田七恵さんのブログの記事にも書いてあるように、これらの成分は、植物由来の界面活性剤です。
近年、アメリカなどで発達したグリーン化学により、以前は石油からしか作れなかった成分が、植物からも作られるようになっています。ここ最近の使用感の良いオーガニックコスメやナチュラルコスメには、こうした植物由来の合成成分がかなり使われています。
しかし、表示名称だけ見ると、石油由来の界面活性剤と同じ名前になってしまいます。
こうした表記上は同じ成分が、植物由来なのか石油由来なのかを見分けるためには、メーカーに問い合わせて確認する必要があります。
つまり、ラベルの名称や表記だけでは判断できないということに注意しなければならないのですね。
そして、植物由来なのか石油由来なのかという違いは、検査でもしない限り確かめることができないので、企業側の誠実さに大きく依存するということです。
また、上記サイトでは、グレープフルーツなどの精油成分も、毒性ありということでイエロー表示されています。
これはおそらく、光毒性(つけたまま日に当たると紫外線のエネルギーが蓄積され皮膚に放出されてしまい、シミや日焼けの原因になる)を心配してのことだと思いますし、柑橘系のアレルギーがある人もいますから、毒性があるといえばありますが、このように単純に色だけで判定できるのか? という疑問が残ります。
こうした疑問点や注意点はありますが、「美肌マニア」は、たくさんの商品の全成分表示やそれぞれの成分の機能・特性をカバーしているので、ある程度の成分知識を得るという観点からはお役立ちだと思います。
日本オーガニックコスメ協会の成分辞典
「美肌マニア」以外にも、化粧品の成分を検索できるサイトとして、日本オーガニックコスメ協会さんがつくっている「成分辞典」というのもあります。
こちらは、「美肌マニア」と違って、合成成分の石油由来・植物由来の違いについてもきちんと配慮されています。
現在、化粧品の成分原料は、主に石油とその合成物質ですが、そのほか植物、動物(虫類を含む)も使われています。また同じ合成物質でも石油だけではなく、石油と植物や動物原料を組み合わせている場合もあります。
石油原料のみで合成する場合は原料由来詳細欄に、合成(石油)、
石油以外のものと組み合わせて合成する場合は、【合成(石油+植物)】、【合成(石油+動物)】などと表記しています。
またたとえば同じひとつの成分でも(ステアリン酸など)、石油からも、動植物の油からも分離抽出することができます。
その場合は、原料由来詳細欄に【石油または動植物から抽出】と表記しています。
(出典:日本オーガニックコスメ協会成分辞典)
最終的にはブランドやメーカーに直接聞こう
とはいえ、「成分辞典」を使ったとしても、成分表記上全く同じ名称の成分の植物由来か石油由来かという情報は分かりません。
結局、こうした細かいことについては、各ブランドやメーカーのサイトを見たり直接聞くしかないのです。
私も、不明な点があったときにはメーカーに直接質問するようにしています。
そして、成分に関する回答のスピードや内容を見て、企業の姿勢を知ることもできます。
たいていのオーガニックコスメブランド、ナチュラルコスメブランドは、誠実な企業であればあるほど成分の開示には積極的ですし、
問い合わせ窓口のスタッフさんが、丁寧で親切できちんと教育されています。
ですので、これってどういう成分? と疑問に感じたら、気軽にメーカーに聞いてみるといいと思います。
化粧品の成分検索ができるサイトと活用の仕方まとめ
以上述べてきたように、化粧品の成分分析・毒性判定等に興味がある方は、成分分析のサイト「だけ」を使うのではなく、
最終的にはそれぞれの企業・ブランドのHPをチェックして、ブランドポリシーをチェックしたり、
場合によってはメーカーの問い合わせ窓口に質問してみるといいでしょう。
ちゃんとした企業ほど窓口のスタッフの方も教育されていて成分を開示してくれますので、
気軽に問い合わせてみるといいですよ。
まとめると・・・
化粧品の成分分析をしたい場合は、
- 「美肌マニア」で特定ブランド・特定商品の成分一覧をチェック
- 気になる成分(合成物質)を日本オーガニックコスメ協会の「成分辞典」でチェック
- ブランドのHPや問い合わせ窓口などを利用して成分がどのように作られているか(植物由来か石油由来か)をチェック
という感じです。
繰り返しますが、化粧品の成分分析は、単純にネットで開示されている成分情報のチェックだけではわからないことが多く、
成分の内実については、各ブランドやメーカーのポリシーや、オーガニック認証の有無をチェックしながら、自分で積極的に判断していくことが大切になってきます。