オーガニックコスメブランドのかなりの数のメーカーさんが、
社会福祉(障害者自立支援)に意欲的ですね。
私個人は、この流れはものすごく重要だと思っています。
私がずっとオーガニックコスメを買い続ける理由は、
実はこのあたりにもあるんですよね。
オーガニックコスメと福祉のタイアップ
それと、特に日本製・国産コスメメーカーさんは、福祉作業所とタイアップしているところも多いので、
日本製・国産コスメに注目する理由の1つもそういうところです。
(大好きなクレコスさんもそういうメーカーさんですし、石けんメーカーで有名なねば塾は、なんと福祉作業所ではなく普通の企業として経営してます。
他にも、コンサルティングで有名な手島大輔さんは、まさにこの福祉とビジネスの融合をオーガニックコスメ業界でやろうとしている方ですね。)
ちなみに、オーガニックコスメは、原料から製造・出荷まで、
機械生産、オートメーションでは作れないものが多く、
本当に地道な作業を積み重ねて作られています。
たとえば、剪定、花摘み、収穫、選定作業などなど、
ほぼすべて人の目と手で行っています。
(本物になればなるほどそうです。)
こういう作業に従事する人々って、この産業化社会では、
ともすれば底辺に追いやられがちですが、
オーガニックコスメをつくる上では絶対欠かせない重要な仕事なんです。
もしこれを、人の手ではなく、機械にしてしまったら、品質が下がりますので。
オーガニックコスメは高いと言われていますが、
それは実態のある値段なんですよね。
いわゆる普通のケミカルメーカーの化粧品のように、
多額の広告費や宣伝費をかけておいて、
実際の原材料は数十円、いや十数円、というような世界とは違うので。
オーガニックコスメを通じて雇用が創出され、
障害者の自立支援ができるとしたらそれは素晴らしいことだと感じます。
福祉とビジネスのバランスのキーはオリジナリティ
とはいえ・・・福祉とビジネスをバランスよく両立させるのはとても難しいことだと思います。
企業が福祉を利用する、ということにもなりかねないからです。
たとえば、いわゆる福祉作業所って、国からの補助金を受けています。
そういうところに、企業が安い値段で仕事を発注してコストを下げ、
価格面で競合他社に対して優位に立つ、というのはやってもいいことなのか?
という疑問が出てきたりもします。
ある意味で障害者の「安い労働力」(しかしその背後には国の補助金や助成金がある)が、
うまく使われてしまうのではないか?と。
(これは、以前厚生労働省の外郭団体に勤めていた知人から、指摘された観点です。)
何もかも考え方次第なのだと思いますが、
たとえそれが障害者の自立支援だという美名のもとであっても、
独り勝ちするとか、出し抜く、といったかたちで製品を売りさばくという図式になってしまえば、
結局は資本主義システムの普通の企業と変わらなくなってしまう。
おそらく、企業が福祉とタイアップするとしたら、それは自ずと適正価格、
適正範囲を見据えたうえでなければ・・・と感じるのです。
すべては、バランス。
そういう意味で、国内フェアトレードという感覚が重要になってくると思います。
それと、オリジナリティを持つこと。独自性を持つこと。
これは、他者を排除することのない本当の意味での強みです。
消費者側も、ただ安いからと飛びつくのではなくて、
企業情報をしっかりチェックしていくことが必要になると感じています。
(今の時代はネットを通じて良いことも悪いことも一気に広まります。
ある意味透明な社会に近づいているのだと感じます。)
オーガニックコスメを通じて垣間見える日本の福祉
その一方で、日本では、福祉行政が遅れているということも事実です。
それは、介護問題とも関連してきますが、
基本的に障害者も高齢者も、最後は家族に負担を押し付けるという構図になっているのです。
私は両親が一時期障害児教育に携わっていたため、
今でも家族ぐるみでつきあいをさせていただいているご家庭があります。
そういうご家庭では、子どもが20歳を超え、30歳を超え、40歳を超えていくと、
たくさんの悩みを持ち始めるということが分かっています。
それは、将来の悩みです。
今でも覚えているショックなできごとがあります。
私の母の教え子だった男性のご家族が豆腐屋さんを経営されていたのですが、
そのおかみさん(お母様)が、あるときその息子さんを連れて無理心中しようとしたのです。
理由は、将来への不安、自分がいなくなったあとの息子さんの未来に絶望してしまったからです。
この構造を変えていくためには、
いろんなアプローチの仕方が必要になってくると思います。
その一つとして、オーガニックコスメブームの中、
福祉とビジネスがタイアップすることは、とても大きな希望だとも感じています。
それは、決して他人事ではなく。
私は2012年末に結婚しましたが、
両親の仕事を通じて、自分自身の問題として、
子どもが障害を持って生まれることも当然あり得ると考えています。
皆がそういう考えを頭のどこか片隅においておけたら、
きっとチェンジ!が始まりますね☆
* * *
追記:
ヴェレダの思想的な背景を作ったシュタイナー。
そのシュタイナーの人智学では、障害者教育に対して深い哲学があります。
この本は、ちょっと難しいですが、一読の価値があると思います☆
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